ロ-マ亡き後の地中海世界

宗教のくびき

アヴェマリア

災害救助と生存率

皇帝フリードリッヒ2世と宗教・異端

十字軍物語・宗教戦争として

十字軍物語1・聖戦

十字軍物語2 
イスラム

十字軍物語3   始まりとその後

陽の下に新しきものなし 

イスラム国

ガリポリの戦いとトルコの近代化

イスラエルとユダヤ人に関するノート

吉田松陰とキリスト

スンニ派とシーア派






















































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































ロ-マ亡き後の地中海世界

宗教のくびき

アヴェマリア

災害救助と生存率

皇帝フリードリッヒ2世と宗教・異端

十字軍物語・宗教戦争として

十字軍物語1・聖戦

十字軍物語2 
イスラム

十字軍物語3   始まりとその後

陽の下に新しきものなし 

イスラム国

ガリポリの戦いとトルコの近代化

イスラエルとユダヤ人に関するノート

吉田松陰とキリスト








































































































































































































宗教




宗教





  ロ-マ亡き後の地中海世界

                        

 25年ほど前にスペインのマジョルカ島からイタリアのサルデイニアにヨットで2日間ほどの航海をしたことがありました。その時にその州の旗を知り奇異に感じました。鉢巻をしたムーア人の横顔が描かれているということです。その時に奴隷を描いたとか、囚われた住民だとかの説明を聞いた記憶があります。本当の由来は知りません。塩野さんの”ローマ亡きあとの地中海世界”を読んだ後では、サラセン海賊を防ぐために山の頂上に村があったり、岬岬にトーレ(搭)を眼にするのには納得できます。
 ボストンマラソンでの爆発事件がありましたが、21世紀はイスラムの問題を解決しなければなりません。西欧のエリートには歴史で学んだ十字軍の知識のせいでしょう、十字軍コンプレックスがあると聞きます。塩野さんのこの本を読めばサラセン海賊の問題と十字軍の問題は、どっこいどっこいでどちらかが悪いということではないようです。時間がかりそうですが、イーブンイーブンだとの共通認識に至れば、糸口が見つかるかもしれません。


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                 2013-5-5

      追補

           塩野七海による海賊とは

 海賊という現象は、貧しい者が豊かな他者を襲って奪う、のではなく、職を保証できない国に生まれた人間が、保証できる国に生まれた者を襲う現象である、と。

               2014-6-2
 






    ;  宗教のくびき

 織田信長は世界史的な貢献をしました。日本は織田信長が旧教的な比叡山と新教的な本願寺を殲滅してくれたおかげでその後は宗教的な影響から逃れてきました。神式結婚式,仏式の葬式、クリスマスのキリスト式など自由自在です。まだ現在の日本が特殊です。日本に多神教世界が古来あったし、いまでも影響されている理由からかもしれません。ローマは1日にして成らず、多神教世界より一神教にして滅亡した。
今アルジェリアの問題が起きましたが、世界史的にイスラムの問題を解決するには、まだ100年はかかりそうです。キリスト教でも宗教改革で何百万人の人がなくなり、19世紀でも魔女狩りをしていました。無神論になる必要はないかもしれませんが、穏やかな宗教とつきあいたいものです。

 信長や秀吉の前で弾かれたというナルバエスの皇帝の歌、ジョスカン・デ・プレのミューリグレーという曲の楽器用編曲です。当時のスペイン国王カール5世が好んだという曲です。

  ナルバエス  皇帝の歌  ビウエラ演奏 ジュリアン・ブリーム  3.2分
  https://www.youtube.com/watch?v=cWxDG-f8OQc

              2013-2-9

 








   ; アヴェマリア   
 
         
          テイツイアーノ 聖母被昇天


人生に自分で後始末を考えなければならない歳です。未だに信仰に頼る気持ちにはなれません。このままだと葬式も今やっているようなら、やりたくないので、やってくれるなと連れ合いに言っています。お墓も拒否です。海に散骨でしょう。
 幼稚園がカソリックでイタリア人と思われる神父さんを目にするところに通いました。わずか1年の通園でしたが、幼少の気持ちに影響があったせいでしょうか、小学校の低学年のころまで、マリア様のプロマイドみたいな印刷物を貼っていました。小さなマリア信仰ですね。 親は熱心な浄土真宗の信者なのに、子供をこだわりもなくキリスト教の幼稚園に入れるところが日本の宗教事情ですね。
 三つ子の魂百までもではないですが、心の深層に残るものがあるのでしょう。音楽は古楽が好きになり、宗教音楽のポリフォニーのミサ曲が大好きです。
 テレビで佐和子の朝という番組で、たけしさんが出ていて、俺はママゴンなんだよなあと話されていました。ちょっとこちらも安心した気持ちになれました。ママゴンだと公言してもいいのだと。でも母親は35年も前に亡くなりましたが。ママゴンの究極形態がマリア信仰であり、仏教の観音信仰なんでしょうね。
 アヴェマリアという曲は有名なものは3つあり、 バッハ/グノー、シューベルト、ジュリオ カッチーニのものです。その中でカッチーニの曲が一番好きです。でもこれはカチーニを名乗った偽作の疑いが濃厚です。カッチーニの他の曲や当時の音楽から比べると様式が違うように思います。でもこの曲はそんなこと関係なくすばらしい。

  カッチーニのアヴェマリア

  森麻季 さんのアヴェマリア 3分  一番好きです
   ;http://www.youtube.com/watch?v=CN1A5GFBcAo

  ヘイリーウエンステラと岡本知高 3分 ソプラノとソプラニスタの音色の違いが見事に融合
   https://www.youtube.com/watch?v=blo5jFULCxA

    本岩孝之さん  4分
  http://www.youtube.com/watch?v=OyefzifPm1M


  加羽沢美濃さんのピアノ演奏  4分  いいね
  NHKの平清盛テーマ曲なんですか?知りませんでした。見る気がしませんでしたので。
    http://www.youtube.com/watch?v=3DtCp0Mwe_s

 Ciulio Caccini ジュリオ・カッチーニ(1545ごろ-1618) ルネッサンス音楽末期、バロック初期の作曲家
メデイチ家の歌手でルネッサンスの大パトロンであるコジモ・デ・メデイチの庇護を受け作曲家になる。バロック音楽の礎となった。アマッリリ麗しはあのメデイチ家のサロンで歌われていたと思われます。

   

   他のアヴェマリア他

  映画 Passion of the Christ から Oiga Szyrowaが歌う これもすごく良いです。
  作曲 Michael Lorenc  7分
  http://www.youtube.com/watch?v=2y8ZnrNd7uE

 バッハ・グノーのアヴェマリア  ソプラニスタ 岡本知高さん   2分
 http://www.youtube.com/watch?v=upV4p3FJP0c

 サラ ブライトマン 3分  これも大好きです
  https://www.youtube.com/watch?v=roljxa0-8yU

 バッハ・グノーのアヴェマリア   カウンターテノールの米良美一 さん  4分 
  ;http://www.youtube.com/watch?v=pvlxNqgd4Y4

  アヴェマリア   Sissel Kyrkjebo  4.4分  
  http://www.youtube.com/watch?v=4DfHCa4O_4E

 アヴェマリア 歌ヘレン・フィシャー 5分  誠実な声です
  https://www.youtube.com/watch?v=IjmK2E_WJbw
                              

 マスカーニ アヴェマリア 歌 エリーナ カランサ    3分
 胸がキュンと締め付けられます。ついでに下もどうぞ。
  http://www.youtube.com/watch?v=Yoo5uM-pDT4

  同じく マスカーニ    歌   Sissel Kyrkjebo   3分
  http://www.youtube.com/watch?v=selrkcvErG8&list=RDuK3_Kr2nLtA
  マスカーニ カヴァレリアルステイカーナ 幕間曲     5分
  ;http://www.youtube.com/watch?v=ykUCfqvnI9I

 ドニゼッティ  Luccia Di Lammermoorより  歌 Mulla Tchako  3分
  http://www.youtube.com/watch?v=vll74EYlTCs&list=RDr-tVuL_6TQ0
                                  

                            2013-10-11
  








   ; 災害救助と生存率   


 ベトナム戦争の時に戦死者をプールに貯めて腐らないような液に浸して浮揚ってくる遺体をサオで押し下げるバイトがあったと聞いていますが、真偽はわかりません。キリスト教は魂は遺体には宿っていないし、火葬ではないので、墓地に送るためにそのような作業が必要だったのかと思います。遺体の取り扱いは宗教により違いがあり、それを尊重されなければなりません。
 日本ではご遺族の方がご遺体を見ないかぎり、気持ちの整理がつかないためでしょう。延々と救助作業の名目で捜索が続いています。今度の震災でもまだ捜索が続いているのでしょうか?
 九州の漁師さんが相当な日数が経ってから救助されました。船があったからと言えます。地震などの建物崩壊でも10日もして救助される人がいます。いろんな条件を考慮して科学的な生存率と経過日数により救助期間を定める必要があります。遺体捜索でもすべて見つかるまでは公は関与できません。 公共の役目としての救助作業と遺体捜索については、合理的な線引きを検討する必要があるのではないでしょうか? 予算にも限りがあり、遺体捜索費用を復旧復興予算にあてるのも合理性があります。
 被害者の親族がいつまでも探す自由はもちろんあります。その人のために災害捜索・救助保険が必要になりますね。 

      2013-12- 10

    追補

 バリ島でダイビング中にボートが見つからず行方不明になりました。5人は救助され1人は亡くなられ最後の1人は行方不明です。14日に遭難したが20日には大規模捜索は打ち切られたとの報道がありました。

      2014-2-22










      皇帝フリードリッヒ2世と宗教・異端 

  
   
   
 フリードリヒ2世は生涯に2回も破門され、その状態で死ぬことになります。キリストが述べたと言う、法王は法王のものに国王は国王のものにということを彼は実践しようとします。世俗のものと宗教的なものに分けて彼は考えたということです。でも彼は異端者のように誤解されました。
 異端審問所は皇帝に対抗するものとして彼の時代に出来ました。スペインのレコンキスタのように対イスラムに対してできたものであると老生はカン違いをしていました。異教徒は当時の人にとっては、自分が信じる宗教と異なるものを信じている存在で真の教えに目覚めていない哀れな人々の意味でした。 異端者は身内の問題でその信じ方が、キリスト教会の定めた信じ方と異なると断じられた人々です、ゆえに近親憎悪で許せなくて、異端者は殲滅させるべきのになりました。それ以降に魔女裁判だ異端者撲滅だと欧州は何千万人が近代までに殺されることになります。
 現代ではユダヤ教とイスラム教がいまだに怨念の戦いが続いていますが、そのどちらも多大な犠牲の血のうえに洗練化したキリスト教のような宗教ではないからだという人がいます。
 フリードリッヒはシチリアでイスラム人との紛争が起こったときに、イタリア国内にイスラム教の人々を住ませる都市をつくり解決をはかりました。そのせいかイスラムの人々の信頼を得て、戦争の際には何千人ものイスラム兵が参戦してきました。だから法王にイチャモンつけられるはめにもなったのでしょうが。彼は宗教が違っても共存できる稀有な例をつくった人物です。
 現代に問題になっているイスラム問題もイスラムが洗練されるまで、100年以上がかかりそうですが、過去の歴史にはそれを解決できる種はあったということです。また現在までイスラムの問題を引きずったのは過去の植民地を持った国とそこでの政策によりますね。反植民地の感情をイスラム精神で現地の人は対抗するしかなかった。他に部族・民族の意識のままの現地の人々を、教育するようなこともなく、単なる旧植民地の区割りだけで独立させてしまいました。独立した植民地では国内に民族・部族・宗教対立を抱えたものになっています。紛争が続く分けです。 
 シチリアの独特の歴史背景でなったフリードリッヒですが、学ぶべきものが多いように思います。
 
 フリードリッヒ2世の生涯

             2014-1-8
   









   ; 十字軍物語 宗教戦争として
  
       塩野七海さんによる  
                         

                         
                           第1回十字軍 エルサレム攻略

 塩野七海さんの十字軍物語3巻を読み終えました。書きたいのがあと1作と述べておられますので、今まで文庫本で読んできましたが、この前のフリードリッヒ2世と今回とでハードカバーに手をだしました。どちらが早いかの歳でこれだけは塩野さんに勝って小生がおさらばするのかもしれません。司馬遼太郎さんの亡くなられたのも突然で、今でもあともう少し書いてほしかった気持ちがいっぱいです。

 さてネストリウス教でもゾロアスター教でもコプト教にしろ、今の若者に正社員になれるご利益があるとワイドショーでそのことが放映されれば、たちどころにその教会にお参りする若人が行列するのが、日本のこだわりのない宗教事情ですね。
 老生にとってはポリフォニーのキリスト教の宗教音楽は好きですが、一信教どうしの聖地奪還の戦争にはあまり関心がありません。ルネッサンスの時代は大好きですが、中世の何とか家の領地争いとか親兄弟殺しの相続紛争に興味はないのです。でも困ったことに十字軍はよく受験で出題されます。キリスト教サイドのフィルターがかかった西欧中心の歴史を学ぶゆえでしょう。

 キリスト教とイスラム教は歴史では長く戦います。現代では宗教的な面を表に出さない歴史的な成熟があります。これは十字軍についての西欧側での負い目や反省点を現代の指導者レベルでは共有しているからでしょう。戦いは今でもやっています。
 でも宗教を前面に立てて多くが信じて戦った戦争は下記のものです。
貧民十字軍 1096年 貧者ピエールのよびかけ、
第1回十字軍 1096年から1099年 諸侯による十字軍、エルサレム攻略成功
第2回十字軍
 
1147年から1148年 ルイ7世他 ダマスカスをねらうが大した戦闘もせず撤退

1187年   エルサレム失う
第3回十字軍  1189年から1192年 サラデインが88年ぶりにエルサレム占領    リチャード1世獅子心王は休戦協定で巡礼の自由は確保1/4世紀続く
第4回十字軍 1202年より1204年  ヴェネツイアに支配され東ローマ帝国の
コンスタンチノポリスの占領 
第5回十字軍  1218年より1221年  ハンガリー王ヤオーストラリア公がダミエッタ
攻略、ナイル氾濫で撤退
第6回十字軍 1228年から1229年 破門されたフリードリッヒ2世戦闘せず外交で
エルサレムを得る
第7回十字軍 1248年から1249年 聖王ルイ9世が大敗北して捕虜になる完全失敗
第8回十字軍 1270年 再度 ルイ9世がチュニスをめざすが死亡

1291年 アッコン攻防戦で陥落、十字軍国家消滅 

 これ以降にはロードス島攻防戦・ウイーン攻防戦・クレタ島攻防戦・・マルタ島攻防戦などがありますが、領土や利権をめぐる抗争を宗教で色つけしただけです。


    ;El Cant de La Sibilla グレゴリオ聖歌 演奏 Jordi  Savall  54.45分 いいね
    http://www.youtube.com/watch?v=uiBiEcxLqsY

    2014-2-2 

   









   ; 十字軍物語1 聖戦とは   
     塩野七海さんによる

         

ジハード・聖戦と言えば今なお現況の世界の問題として存在しています。
 十字軍の時代に聖戦でイスラム側がカソリックに対して対処してきたのだとばかり思っておりましたが、十字軍の時代ではサラデインとマメルーク朝(奴隷王朝)の時だけでした。サラデインにしろマメルーク朝にしろ自分の基盤を強化するときにジハード(聖戦)を唱えました。カソリック側も法王が十字軍を唱えた背景には皇帝との権力闘争が背景にありました。同じです。
 法王はエルサレムの奪回は血を流した戦いでなければ意味がないと考え、フリドリッヒ2世の外交による奪回は認めませんでした。イスラム側にエルサレムがあったときでも実質的には巡礼は行えました。イスラムにとってもいい収入になったのです。
 モスールを支配しイスラム世界の両派の戦いに終止符を打ちサラデインはバクダット・スンニ派とカイロ・シーア派に分かれていた統一者となる。1187年サラデインがジハード・聖戦のはじめての宣言をする。それはサラデインは当時はトルコとアラビア民族が支配的な中での立場の弱い少数民族クルド族の出でした。面白いことにサラデインは30歳までは学問と教養を深めていまし。彼は叔父さんが将軍であったのでエジプト占領に就いて行き、兵士に慕われ叔父さんの死後にその地位を簒奪した人です。サラデインは八ッテインの戦闘に大勝利しエルサレムを奪還した。彼も各地の太守や領主を束ねていく立場でジハードを唱えなければエルサレムの占領はできなかった。
 蒙古によるバクダット壊滅でイスラム圏の半分が占領されたました。マメルーク朝はそれを破り勢いを食い止めて成立します。奴隷からのしあがったスルタンですので、宗教的権威を必要とした。同じく聖戦を唱える必要があったのです。
 教条的な題目や冒すことのできない絶対的な文言を言い出す背景にはそれを言い出す側に弱いものがあるという現実・本質は今でも過去でもあるということですね。


  パレステイナの歌  演奏 デービッド・マンロー  3.19分  いいね
   http://www.youtube.com/watch?v=nCwnm38ULZc#t=148
                                
    2014-2-4

  
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     十字軍物語2  イスラムのこと
     塩野七海さんによる


 
        ; 
日本・イスラム・キリストの地位比較

キリスト側 イスラム側 日本
宗教的 法王 カリフ・世襲制 天皇

司教 イマム・導師

世俗的 皇帝・国王 スルタン
ヴィジル・宰相
将軍

封建諸侯 アタペグ・太守
エミル
大名


 十字軍により影響を受けたイスラムのお話です。
 第1次十字軍の時代のイスラムは西欧や日本と同じく領土・相続争いを繰り返す中世の時代です。バクダットを支配するスルタン・アッバース朝スンニ派とヴィジル・カイロを支配するファテイマ朝シーア派が対立して競って分裂していました。この両派の争いは現代まで続いている問題ですが。最初の十字軍もイスラム側は宗教的な問題とは感じることなく、領土を獲りにきた外国勢力の気分でいました。エジプト側は十字軍に同盟を申込みに行く位でした。それゆえに第一次十字軍ではエルサレムの占領と海辺の十字軍諸国の成立を許しました。
それから徐々に反撃をしてゆきます。ヌラデインは対立していたカイロを占領させファテイマ朝は滅亡してイスラム世界を統一した。クルド族の若きサラデインはそこをを占領した叔父の死でエジプトの宰相になる。ヌラデインが死亡。サラデインはヌラデインの息子から徐々に権力を奪い、ダマスカスとカイロを支配するアユーブ朝のスルタンになる。彼はエルサレムの奪還をします。しかし蒙古が侵入してきて、バクダットが壊滅して半分のイスラム圏が消える状況まで追い込まれます。奴隷あがりのマメルーク朝が蒙古を破りイスラム圏を維持して、アッコンの占領でキリスト教勢力の追い落としが成功します。
 そもそもイスラム教は通商の民による宗教です。ゆえに通商・交易と伴に拡大し中国の沿岸部やインドネシアにまで布教はひろまります。十字軍を海に蹴落とした後でも、それゆえに西欧との交易は再開します。西欧との香辛料の仲介貿易で富を得ていました。しかしバスコダガマが新しい交易ルートを中東抜きで開発したところから、中東イスラム諸国は没落し西欧の植民地になってしまいました。その遺恨が現代まで続いています。
 
 Dimitrie Cantemir   ESTAMBUL サヴァール   48.46分
   18世紀の曲ですが イスタンブールの雰囲気がよくでています
   http://www.youtube.com/watch?v=jCq5GiqvMhU

    2014-2-6

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   十字軍物語3 始まりとその後   
    塩野七海さんによる

 
                            
  
 
 カノッサの屈辱は1077年に神聖ローマ皇帝ハインリッヒは破門され三日三晩立ち尽くして,その解除を願った事件です。法王の権威を誇示した事件でした。でもそのあとで皇帝の反撃が始まり法王は逃げ回ることになります。 十字軍は法王が権威を打ち立て取り戻すために企画します。十字軍が終わり、美男王フィリップにより法王が70年に渡りアビニョンに捕囚されました。
十字軍は失敗に終わります。フランスは諸侯の国より小さいのですが、それで有力諸侯が十字軍で死んだ後に、その領地を次々と直轄領にしてフランスの王権を強化し中央集権化がすすみました。
 法王は神聖ローマ皇帝フリードリッヒへの敵愾心に燃えるあまりに、結局もうひとつのフランス王を強化させることに役立ち、戦略を誤ることになり、結果的には拉致される立場になるのです。
  アッコン陥落10年が過ぎて、ヴェネツイアとマメルーク朝は通商協定を結ぶ。ジハードでキリスト教徒を追い払ったけれど、通商のイスラム教の民はビジネスのうまみは続けたかったということでしょう。
 ヴェネツイアはリスクの分散と情報収集や資本の集約で経済大国になる。イスラムとの利害の一致で巡礼の再開も行われる。経済力を得た都市国家の市民たちがルネッサンスを作ることになります。
 法王は神の代理人であり、神の意志を伝える人で、神は間違わないのだから法王も誤ることはない。信者の信仰が足りないのが何事もその失敗の原因であると言われる。十字軍の失敗も法王が責任を問われることはありませんでした。ルターがそれに疑問を呈するまでは、そうだとされてきました。

     2014-2-7










   陽の下に新しきものなし   十字軍物語・塩野七海による

 
第1次十字軍でエルサレムを陥落したときには異教徒と見ればユダヤ教もイスラム教の人々も殺しまくったのでした。市内の街路を流れる血で染めて惨劇は行われた。占領したキリスト諸侯たちは折り重なった屍の間を通って聖墳墓教会に集まり、祭壇の前で泣きながらひざまついて神に感謝の祈りを捧げました。
 一人の人間の中に善・悪が共生している。だからこそ哲学・倫理・宗教によって矯正に努めるが、未だに成果ははかばかしくない。古人はこの現実を陽の下に新しきものなしと言った。

 若い時に柄にもなくソクラテスやプラトンを読んだ時があります。それらの偉人は2500年以上の前のことですね。その書籍に書かれていることは、今の問題かしらということが多いです。この年になってもそれをかじっただけで、何も残っていないのが恥ずかしい限りです。

 人間の考えることは2000年経っても進歩しないものです。サイエンスは驚くほどの進化をとげましたが、精神的なもの・内面のものは昔と同じ問題で解決できていません。

 アフリカで200人の女学生が誘拐されました。ローマ亡き後地中海世界でもサラセン海賊に誘拐されたキリスト教徒は改宗すれば奴隷にならなくてすみました。また同じようなことが現代でも起こっているのですね。


  13世紀・14世紀の音楽 演奏 独演奏者  8分
  https://www.youtube.com/watch?v=N2Pb_jpSyiE&list=RDsCRAY8WFDRo

     2014-5-16









    イスラム国  


    
      英国 BBC作成の地図より



 まだ混乱が続いているエジプトではコプト教徒とイスラム教徒の対立があります。最近のニュースを聞くと世界史で習ったといっても、歴史用語を憶えさせられただけですが、コプト・ネストリウス・ゾロアスターなど登場して驚かされることばかりです。
 今度初めてヤジド派を聞きました。それは、イスラム国がクルド族ヤジド派の拉致した女性600人を戦利品として仲間に与え、このうち27人が1000ドルで人身売買され強制結婚させられた。また、モスル市内のキリスト教徒に改宗か死かの選択を強要、19日までに改宗しなければ55万イラクデイナールの人頭税をおさめなければならない、いずれにも従わないときは死刑に処する。
 塩野七海さんのローマなき後の地中海世界が現在によみがえったのかと思わせる事態です。エジプト・レバノン・シリア・イラクのイスラム社会はイスラム以外の異教徒でも今までの事件で明かになった如く共存して生きてきました。日本人はキリスト教フィルターにより影響されていますので、イスラム圏ではイスラム一色のように思っていますが、現実はイスラムは他宗教には寛容でその存在を許してきました。逆にキリスト圏のほうが排他的であったといえましょう。
 イスラム国はこのイスラムの伝統を現代になって破ったということです。でも今日の報道ではその戦力2−3万人と言われています。またマレーシアの女性3人がISISの戦闘員に性的に慰安する役割を提供するため中東に旅たつ。オーストリアでは13・14歳の少女2名ががイスラム国に旅立つところを保護された。その勢いは止まりません。英国・欧州でのイスラム系の国民が差別・疎外され不満がたまっているのでしょうね。だからこれからも単に空爆や軍事的に抑えるだけでは解決できないのでしょう。
 日本では維新のときに起きた尊王攘夷の殺傷がこれと似たものがありますね。イスラムでも開国討幕のような運動ができて解決していくのでしょうか?
 イスラム国のことは西欧の近代におけるイスラム支配による、現代まで続くイスラム側の反発が原因です。そのとうりですが、イスラム圏の内部での自身による問題解決しかないように思います。インドネシアの大統領がイスラム国に対して発言しましたが、その動きが大きくなるといいですね。時間がかりそうです。日本はイスラムに対して圧迫を加えた歴史をもちません。歴的な役にたつことがあるはずですので、そのことを踏まえて今後の行動を律する必要があります。でも今の外務省に期待できませんね。

      2014-9-13


    ガリポリの戦いとトルコの近代化







     吉田松陰とキリスト  

 

         

 先日、大河ドラマの花燃ゆを見ました。幕府から召喚命令を受けて、野山獄から江戸へ送られるために郷里を離れるところで終わりました。

 今回の大河ドラマは先の竜馬伝の時より自分にとってしっくりいっていません。福山雅治さんの竜馬は、主人公が本物よりイケメンすぎる点を除いて、ピッタリのハマリ役で、のめりこんで楽しむことができました。
 吉田松陰役の伊勢谷友介さんは、ドラマ白洲次郎ではピッタリでしたが、今回は少しこちらには、まだ溶け込めるものにはなっていません。原作の力量や描き方の問題かもしれませんが。
 今日の大河を見ての老生得意の思いつきですが、松陰死後の松下村塾の塾生の維新の活躍は、キリスト十字架上の刑死後の12使途がキリスト狭を布教していく様を連想させました。
12使徒はそれまでは不甲斐ない人々で、キリストの死と伴に急に目覚めたように布教活動に精を出し、殉教もして発展させたと云います。
松下村塾生も松陰の死後に維新に活躍し、明治の偉業をなしました。でも優秀な人々はその過程で死んでしまい、劣等生だった伊藤博文と山形有朋が生き残って明治の首相になりました。 先週放映の花燃ゆでは、塾生が逡巡したり離れていくことが描かれていましたので、まんざらキリストの使徒とも違いがあるわけではないとのこちらの思い込みです。
 塾生がどのように今後は大河で描かれていくのかまだ分かりませんけれども。

 松陰は松陰神社で神として祀られていますのでキリストと同じですね。
 花燃ゆには視聴率がイマイチのようです。老生は最後まで見るつもりですので、頑張って何かをつかめるよう描いていただきたいものです。

    2015-4-24









     スンニ派とシーア派   

    

      
        濃い緑がシーア派、 うすい緑がスンニ派


  サウジアラビアがイランと国交断絶したことに伴い、新たにバーレーンとスーダンもイランと断絶しました。UAE・アラブ首長国連合は外交関係格下げ。

 この前のロシアとトルコの争いの時のように、世界第3次大戦だとあおる人もおります。

 両派は後継者をめぐってその違いが生まれた。預言者の血を受け継ぐものを指導者とするべきと考えるシーア派、スンニ派はそれにこだわらないところに違いがあります。
 語弊がありますが、分かり易く云えば、日本の天皇と将軍のようなものかもしれません。


 約16億人いるイスラム教徒のなかで9割のスンニ派と1割のシ−ア派の分布です。

    シ-ア派の人口分布・上図の濃い緑地域

   イラン・イラク             2/3 
   レバノン                50%くらい
   バーレーン              70%
   アゼルバイジャン          85%
   イエメン                45%
   パキスタン北部           20%
   サウジアラビア東部         10%
 
  バ−レ−ンのように住民はシ-ア派なのに国王はスンニ派というところもあり、またイランはペルシャ人でサウジはアラブ人ということで、民族の違いもあり、より対立の現象も複雑になっています。


       2016-1-6









     留魂録・吉田松陰

   松下村塾生のその後

    イスラエルとユダヤ人に関するノート